反日感情どころではない実態
これが中国だった。好きとか嫌いとかいっている場合ではなかった。相手はその日の稼ぎに必死だったし、僕は騙されまいと想像力をフル回転させる。正直なところ、僕はそのとき、中国人のなかに塊る反日の意識など忘れていた。それどころではなかったというのが本音だろうか。だがそれが旅でもあった。中国人たちにしたところで、反日を叫んだところで金がもらえるわけではなかったし、僕はそんなことを気にしていたら、アジアハイウェーという、気の遠くなるような道のりを走破することもできないのだった。
[参考]
山中湖温泉の温泉・露天風呂のある宿・ホテル - じゃらん温泉ガイド
http://www.jalan.net/onsen/OSN_50156.html
西伊豆周辺の宿泊施設・宿 - じゃらんnet
http://www.jalan.net/210000/LRG_211400/
アパホテル<金沢中央> - じゃらんnet
http://www.jalan.net/yad323565/
しかし隣にいたH君は違ったらしい。いつ中国人から冷たい仕打ちを受けるのか、とびくびくしていたのだと、あれはどこかの夜行バスのなかで、ぽつり、ぽつりと話すのだった。なにか勢いのようなもので、アジアハイウェーでトルコまで行くという酔狂な旅に加わってしまったが、考えてみれば、そのとば口には、反日感情渦巻く中国があったのである。出発前夜、体調を崩したのも、ひょっとしたら、そんな不安が臨界点を越えてしまったからかもしれなかった。僕のように、ときに不穏な場所にも足を踏み込んだことがあるおじさん旅行者は、いつもの旅のひとつのような気軽さで鞄に荷物を詰めたのだが、日頃は日本に暮らす彼にしたら、それは大変なことだったのに違いない。